村上醍醐です。
管理職の仕事って端的に言うと何でしょう?
何を管理するのか?
仕事の管理?
人の管理?
正直、管理職になる前はなんとなくイメージはできてはいましたが、上手く言語化できていませんでした。
管理職になって3ヶ月、自分の中で「管理職の仕事」をようやく言語化できるようになってきて、良い機会なのでまとめました。
管理職の仕事を2軸で整理する
どう分けるか、というと「人・仕事の軸」と「時間軸」との2軸です。
人・仕事の軸
仕事
端的にいうと、「売上・利益を増やす」というような経営的な目標達成基準を満たすこと、になります。
これができないと、会社の存続に関わりますので、もちろん関与は不可欠です。
人
とはいえ、会社はヒト(人財)がいないと成り立ちませんので、働くメンバーの気持ちだったり欲求に応えることも必要になります。
上記の「仕事」「人」の要求は時に・・・というか結構矛盾します。
(仕事)「売上・利益増やせ」
(人)「早く帰りたい」
などです。
この2つの要素をうまく調和させられるか、が管理者の大きな役割の1つだろうと痛感している毎日です。
時間軸
現在
これは当然ですが「現状」をいかに最適化するかということが求められます。
例えば、現場組織・メンバーのパフォーマンスをいかに最大化するか、という観点です。
未来
そしてもう1つ、むしろ管理職になって意識させられたのはこの「未来志向」です。
今はうまく回っていても、核となるメンバーが異動したときに残りのメンバーで上手く回るのか?
競合から驚異的な新商品がでたら、自社サービスはどう対応するか?
など、将来の起こりうる出来事やリスクについて想定し、備えておく必要があり、管理職こそ、いかに先々に備えられるかが求められます。
図示すると、下記のとおりです。
それぞれについて簡単に解説します。
現在
現在×仕事
まず管理職の仕事としてイメージしやすいのはこの象限でしょう。
文字通り、各業務・プロジェクトについて、パフォーマンスを最大化させることです。
そのためには、メンバーを適切に割り当てて、もれなくダブりなく役割を与えて、PDCAサイクルを回していくことが重要だと考えています。
この「メンバー割り当て」と「役割付与」が結構難しいです。
業務難易度やメンバーの希望、環境などあらゆる要素を加味しながら、決めていきつつ、状況に応じて調整も必要になります。
今年4月に最も頭を使ったのは、この部分でした。
現在×人
この象限は、要約すると「人間関係」です。
個人単位では、仕事へのモチベーションの維持向上だったり、健康管理に気を遣うことだったりします。
あるいは、複数メンバーの組み合わせでのパフォーマンスUPを図ったり、逆にあまりうまくいっていないメンバー間を適切に取りなすことが求められます。
職位によっても、考えていることや私情・仕事へのスタンスも大分異なるので、本人たちとしっかり向き合うことが不可欠です。
メンバー全員と個人面談を行ったのですが、慣れないので本当に緊張しました。
でも、各人の欲求と妥協点がなんとなくわかったので、面談はやってよかったです。
未来
未来×仕事
要は「改善(カイゼン)」ですね。
トラブルになりそうなルール・機能の抽出、改善だったり、より効率的にするためのシステム改修、新しい商品の開発などを常に意識し、交通整理しつつ、行動に移すのは管理職の重要な役割だと考えています。
もちろん、現場メンバーが手元でどんどん業務改善していく事例も多いと思います。
それ自体はとてもよいことだと思っていて、そういった場合、管理職としては「本質的な(組織のミッションと密接に関係のある)改善」かどうかの見極め、改善事項の波及といった点で、より効果を最大化させることが求められていると感じています。
未来×人
端的に言うと「育成」でしょうか。
正確には、管理職にならずとも一般社員レベルでも考えておくべきことではあるのですが、管理職はより意識しておかないといけないです。
各メンバーの将来キャリアビジョンも汲み取る必要もありますし、一方で組織として伸ばすべきポイント、不足しているポイントの穴埋めという視点も必要で、しばしば各要素が対立することもあるので、ここも難しいと感じることが多いです。
(例:本人は営業スキルを伸ばしたいと感じているが、組織的にはあまり重要ではない、など)
大事なこと
ここまでまとめてみて、いずれの象限も管理者の役割・仕事として大事だと再認識しているのですが、書いていて「管理職それぞれのクセ・偏りがあるなあ」と思い至っています。
理想的には4象限をバランスよく調和させることがよいのでしょうが、自分自身もそうですし過去の上司の方々も「現在×仕事」だったり「未来×人」に偏っていることがあったな、と思い返したりしています。
ちなみに私はかなり「人」に寄っています。
それは個々人の考え方もあるでしょうし、その年の会社・組織からの要請によるところもあるので、一概にそれが正しい・間違っているというつもりはないです。
大事なのは4象限がアンバランスなのであれば、そのズレを常に意識しておくことでしょう。
ズレ自体は悪いことではなく、偏りを自覚することでバランスを取るように動くことができると思うからです。
なので、定期的に自分の仕事が4象限でまとめるとどういうウエイトになっているかを整理しておくことが、よい管理職になる一歩なのかな、と考えているところです。