村上醍醐です。
長沢 朋哉「世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語」を読んでの書評・レビューです。
一言感想サマリー
マーケティング部に異動した主人公が新商品を売るためにいくつかの「考えるコツ」を習得していくストーリーを通して読者も「思考法」を学べる一冊。
こんな人におすすめ
- ビジネスマンの方
- 論理的思考法を学びたいが、堅苦しいビジネス書は読む気がしない方
内容紹介(amazonより)
戦略思考・論理思考・分析思考・クリティカル・シンキングetc.すぐに使える、様々な「思考法」のエッセンスが、この1冊で!「物語」で、「考えるコツ」が、自然に身につく。
感想
この本は「思考法」と冠してはいるものの、メインは物語です。
ストーリーとしては、マーケティング部に異動した主人公とそのメンター二人を中心としたもので、彼らが新商品を売るためにいくつかの「考えるコツ」を習得していくのを通して読者も「思考法」を学べる一冊となっています。
本書で紹介される「思考法」は下記7つ。
- クリティカル・シンキング…考える目的=主張を決めること
- 戦略思考…戦略=目的+手段
- 論理思考…論理=主張+根拠
- 分析思考…ある対象を何らかの基準で分け、違いと意味を発見
- 直感思考…直感的発想=直感でアイデアを得る、直感的判断=直感で認識・評価・決断をする
- 仮説思考…手持ちの材料で予測できる仮の結論
- 考えを伝えるコミュニケーション…主張・結論とその論拠を示して伝えるのは手段、意志決定を願うのが目的
思っていた以上にストーリー部分のクオリティが高いので、面白く最後まで読み切れます。
普通にライトノベルとして読めるレベルです。
もちろん、「思考法を扱う本としては浅い」というご指摘もあることでしょう。
でも、それぞれの思考法の深堀りは本書内で紹介されている参考文献をあたればよいのです。
思考法の肝というかキーワードは本書で十分実感できます。
あくまでビジネスで活かせる思考法を学ぶ入り口として評価するならば、本書はかなりベストに近い選択肢であると思います。
そんな掘り出し物の一冊でした。
印象に残ったフレーズ
- 「考える」とは、具体的には、「自分の主張・意見を決める」こと。
- 分析とは、「分けて、比べること」。そして、「変化」と「差異」を発見すること。
- さらに、その「変化・差異」が、なぜ起こったか、原因を考えること。
- さらに、その「変化・差異」が、何かの兆候なのか、考えること。
- プレゼンの目的は「意思決定・行動」をしてもらうこと。
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