【感想】STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん

STEINS;GATE
村上醍醐
村上醍醐

まゆり・フェイリスシナリオが秀逸。あくまでも番外編として楽しむのが吉。

ゲーム「STEINS;GATE」の番外編、「STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん」のプレイ感想です。

いわゆるファンディスクなので、ストーリーというよりは、キャラクターとの掛け合いだったり、掘り下げがメインになっています。

ただ、本編はストーリーがコアにあってこその高評価のため、キャラクターに特化したストーリーにのめり込めないと好感は抱きにくいので、ネットでの評価も賛否あるような状況です。

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共通ルート(あらすじ)

岡部のDメールによる過去改変で、本編とはほど遠いシリアス要素がほぼ皆無のΩ世界線に移動します。

シュタゲは世界線を変えれば、割となんでもできるのでこういったお楽しみ要素の作品は向いているかも知れませんね。

その世界線ではラボは深刻な資金難で、資金繰りのためにいくつかの新作未来ガジェットが作られた!というところから始まります。

このとき岡部は世界線移動しているので新作未来ガジェットの内容は知りません。

話のタイミングとしては、タイムリープマシン完成前です。

そのため、電話レンジの発動条件など色々な情報がラボメンたちにインプットされていなかったり、ラボメンたちの関係性(特に岡部と紅莉栖)が親密になる前になっているので、少し違和感がありながらも共通ルートを通して認識をアジャストしていく感じです。

その新作未来ガジェットのうち、12号機「ダーリンのばかぁ!※」の取り扱いが個別ルート分岐のトリガーになっています。

具体的に言うと、意図せず「ダーリンのばかぁ!」を装着してしまった岡部と紅莉栖が、装着する前の自分たちにやめさせるようDメールを送るか送らないか、送るならどんな内容で送るか、という選択でルート分岐します。

※牧瀬紅莉栖が発明。2つでセットになっており装着した物同士を仲良くすることを目的として、1m以上離れたり喧嘩すると電流が流れる。お互いの気持ちが一致するか、電池切れにならないと外れない。

以下、攻略順の感想です。

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紅莉栖ルート

12号機「ダーリンのばかぁ!」をそのまま装着するルート。

感想としては、「悪くはないけど、もう少し上手く料理できたのでは?」。

「ダーリンのばかぁ!」のコンセプトは割とラブコメにはありがちなもの。

なんとなく想像していた展開があったのですが、正直終わった直後は「あれ、もう終わり?」という気持ちです。

どうも期待値が高すぎました。

岡部と紅莉栖の痴話喧嘩的な掛け合いは、最初は好ましく見ていたのですが、変化が乏しく、そのうちクドさが勝ってしまいました。

他のルートで見られたような岡部の「ラボメンを思いやる一面」をもう少し見せたほうがメリハリが出てよかったのでは。。。

オカクリ要素が強めのストーリーがご希望なら、ネット上の二次創作・SSのほうが相応しいでしょう。私のおすすめする作品群は下記記事からどうぞ。

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まゆりルート

本作の当たりシナリオは間違いなくこのルートでしょう。

少し長めで一部冗長な場面もありますが、ライターの方が力を入れて書いたであろう痕跡を随所から感じました。

本編でのまゆりの扱いというか境遇は不遇とも言えるものだったので、このファンディスクで救済されたのは、とても良かったのではないでしょうか。

まゆりはこの世界線が一番幸せになれるのだと思うと、感慨深かったです。

水着姿やドレス姿、浴衣姿などが楽しめるのもまゆり好きにはいいですね。

 

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鈴羽ルート

ふとした勘違いから生じたタイム・パラドックス危機を回避し、ダルを本来の伴侶である阿万音由季と結びつけるために奔走する岡部と鈴羽のお話。

ストーリーとしては割と王道で安心して見られる部類なのですが、ダルの言動がかなり気になりました。

ああいうダルの一面はプレーヤーは想像していなかったはずで、幻滅した人もいたのでは。

あそこまでの言動が必要だったのかは疑問なので、ちょっともったいない気がしました。

 

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フェイリスルート

本作の個人的ベストルート

メイクイーン+ニャン2が4℃の策略で経営危機に陥るものの、ラボメンたちの結束力で解決していこうという結構熱いストーリー。

フェイリスとの関係性は深めながらも突っ込みすぎず、4℃というわかりやすい悪役を配置しつつ、ラボメン達がメイクイーンでアルバイトをするスラップスティック的な展開にしたことで、ファンディスク的な要素が楽しめたと思います。

はっきり申し上げて、紅莉栖のツンドラメイド最高でした。ありがとうございます。

 

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萌郁ルート

何故か賞金目当てでバンドを組むことになったラボメン達で、萌郁はボーカルになっているという割とぶっ飛んだ設定。

そんななか萌郁の仕事の手伝いなどを通して、彼女のことを知り、距離を縮めていくというストーリーです。

展開はこじんまりとしているのですが、随所で萌郁の感情が表出するシーンが見所でしょう。

本編では描けなかった萌郁の掘り下げという意味では、ファンが望んでいたものを上手に魅せてくれたと思います。

 

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るかルート

るかは性別「男」のままです。

前提が苦手な部類のため、ノーコメントです。

 

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総評

良くも悪くもファンディスクなので、ストーリーの面白さよりは、キャラクターが好きになれるかどうかで評価が変わりそうです。

ストーリーはルートによってクオリティに差が明確にあったのが少し残念ですが、総じて楽しめました。

「続編」という位置づけではなく、あくまで「番外編の1つ」・・・あり得たかも知れない世界線のお話、という気持ちで向き合うのがちょうどよいでしょう。

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