村上醍醐です。
グラフ作成に関するエントリー3回目です
▼過去記事
グラフはデータを視覚的に表現したもので、棒や線といった記号で表されます。
グラフは、大量のデータの中の傾向を示したり、主要な発見やメッセージを伝えたりするためのに効果的です。
丁寧にいうと、データを手早くかつ簡単に示し、比較を促し、データ内の傾向や関係を明らかにするのに使われます。
3つのガイドライン
データを示す方法としてグラフを使うと決めたなら、どの種類のグラフを作成するのであれ、以下の3つのガイドラインを意識しましょう。
頭の中で言語化できればよいですが、慣れないうちは、書き出しておくことをお勧めします。
- なぜそのデータをグラフで伝えることが必要なのか考えよう(Why)
- 伝えたいメッセージを決めよう(What)
- メッセージの種類を考えよう(How)
1. なぜそのデータをグラフで伝えることが必要なのか考えよう(Why)
大前提として、「目の前にデータがあるからグラフにする」というのはやめましょう。
目的のないグラフ化は時間・労力の無駄です。
「そのデータをグラフにしたい」ということは、何らか伝えたいことがあるということなのですが、よりよいグラフにするためには、もう一段掘り下げておきましょう。
重要なのはそのグラフを相手に見せることで、どう相手を動機づけたいか、
丁寧に言うと、「相手にどう感じてほしいか」「相手がどう動いてほしいか」ということです。下記に例をあげます。
例)部下が、予定通り売上が伸びていることに安心を感じてほしい。
ここで大事なのは、「売上が伸びていることを示したい」だけでは不十分だということ。
売上が伸びていて、計画より上振れしていれば喜ぶべきですが、計画を下回っているのであれば、危機感を持ってもらう必要があるかもしれません。
このように、示すデータに対して聞く相手にどう思わせたいか、まで考えておかないと、
メッセージが的外れになったり、ボンヤリとしたものになってしまい、
それはそのままグラフのクオリティに影響してきます。
さらにいうと、「なぜグラフで伝える必要があるのか」と自分に問いかけて、
答えが不明確・不十分なのであればメッセージを伝える必要もない(伝わらない)ので、
そのデータをグラフで示す必要はありません。
2. 伝えたいメッセージを決めよう(What)
上述の「Why」を念頭に、グラフに込めるメッセージは何なのか、考えましょう。
「Why」がきちんと整理できていれば、自然と「What」は固まるはずです。
気をつけたい点としては、下記3点です。
- シンプル(明確、簡潔、単純)に表現する
- 動詞の場合、受動態を避け、能動態を用いましょう。受動態は伝わりにくいです。
- 悪い例:失業率の上昇は、経済危機によってもたらされた
- 良い例:経済危機が失業率の上昇をもたらした
- 動詞の場合、受動態を避け、能動態を用いましょう。受動態は伝わりにくいです。
- メッセージに自分なりの判断・スタンスを盛り込む
- 完全な主観だと行き過ぎですが、「数字が10%伸びている」というメッセージならグラフから誰でも読み取れます。その「10%」が良いのか悪いのかどうなのか、その判断をメッセージには盛り込むべきです
- メッセージはできれば1グラフにつき1つにとどめる
複数メッセージがある場合は注意を払う- 「シンプルに表現する」ということと重なりますが、メッセージが多いとグラフも複雑になり、解釈も難しくなり、頭に入ってこなくなります。
3.メッセージの種類を考えよう(How)
伝えるべきメッセージが固まったら、「どう伝えるか?」を考えます。
これがそのままグラフ種類の選択につながります。
- 数値の大小
- 構成比
- 項目間を横比較する
- 時系列変化をみる
- データ内の関係・構造・バランスを示す
チェックリストまとめ
- なぜそのデータをグラフで伝えることが必要なのか考えたか(Why)
- 伝えたいメッセージを決めたか(What)
- メッセージの種類を考えたか(How)
別エントリーで、良いグラフを作成するための作法について解説します。