村上醍醐です。
世間の子育て中のパパは、子どもからどんな本を読んだら良いのか、と聞かれて答えられますか?
きっと即答できれば、子どもからの信頼もUPすること間違いありません。
これまで少なくとも1000冊の本を読んできた私が「読んで良かった」と思ってもらえるような本を数冊紹介します。
今回は中学生向けです。
12~15歳くらいの方、あるいは該当するお子様をお持ちの親御さん達におすすめします。選定基準は下記の通りで、読書感想文にも比較的書きやすい部類を選別してみました。
- 1冊が長すぎない(200ページ前後)
- 表現が平易
- 描かれるテーマに普遍性がある
順番としては、個人的な印象として対象年齢が低→高の順番に並べています。
1.朝の少女
自然豊かな島に暮らす女の子は、夢想好きで誰よりも早起き。それで、朝の少女と呼ばれている。夜が大好きな少年は、いつしか暗闇に変身できるようになり、眠る必要がなくなってしまった星の子。対極的な姉弟は、両親の教えや大自然との対話を通して、少しずつ大人になっていく。海や星や太陽に抱かれ、ふたりは幸せだった。運命の日がくるまで―。生命の輝きに満ち溢れた愛の物語。
知名度はそこまで高くないのですが、かなりの名作だと思います。灰谷健次郎の丁寧な筆致で描かれる、美しい自然との対話・情景、家族とのつながり。そして後半に訪れる急転直下の展開は、心に衝撃を与えることと思います。ぜひ多くの子どもたちに読んでもらいたい。
2.カラフル
生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。
小学校高学年や中学生でもスイスイと読み進められる軽やかなストーリー。でも、実際扱っているテーマは「生きること」です。中学生という多感な時期にこそ、1つの「生と死」の捉え方としてこの物語に触れてほしい。私は天使の以下のメッセージが今でも強く心に刻まれています。
「ホームステイだと思えばいいのです」「ホームステイ?」「そう、あなたはまたしばらくのあいだ下界ですごして、そして再びここにもどってくる。せいぜい数十年の人生です。少し長めのホームステイがまたはじまるのだと気楽に考えればいい」
3.TUGUMI
病弱で生意気な美少女つぐみ。彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜のはじまりに、つぐみと私は、ふるさとの最後のひと夏をともにする少年に出会った―。少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。第2回山本周五郎賞受賞。
もう25年以上前の作品ですが、決して色あせない青春小説の名作です。どちらかというと、女性の方がとっつきやすいかもしれません。「つぐみ」たちの物語を読んで、ぜひ「自分はどう生きるか、どう生きたいか」そんなことを少しでも考えてみるきっかけになればと思います。
4.インストール
先述3冊に比べると、少しアダルティな一冊。実際に作者がこの本を執筆したのは高校二年生のとき。同年代が描く世界観や言葉遣い、語彙などから刺激を受けることが多々あるはずで、自分が見ている世界の多面性に気づける一冊になることでしょう。
5.非選抜アイドル
小説以外からこの一冊を唯一選出しました。俗物っぽいアイドル本と思われがちですが、すごく良い本です。いい意味で裏切られます。
文章からは「表現することが好きな女性」だというのが伝わってきて好感が持てました。大人が読んでも「自分にできることを続けること」や「準備しておくこと」が大事と言える辺り感心させられます。
周囲と比較して落ち込んだり、今の自分の立ち位置がなんとなく揺らいでいて不安があったり、将来やりたいことがあるけどどうしたらいいかわからない、あるいは 「夢」ってどうやって持ったらいいんだろう、といった悩みがあったらぜひ読んでみてほしいです。前を向いて進む強さに勇気づけられることでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。1冊でも気になる本が見つかれば幸いです。本は自分の人生だけでは得られない経験に触れることができる稀有なツールです。
ぜひ、いろいろな世界観に触れ、そして浮き彫りになる「自分らしさ」に気づいてほしいと思います。