村上醍醐です。
ふろむだ「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている 」を読んでの感想です。
一言感想サマリー
「錯覚資産」とは、人々が自分に対して持っている都合のよい思考の錯覚が、一種の資産として機能することで、スキルアップとともに錯覚資産づくりにも一緒に取り組んでいくことが重要である。
こんな人におすすめ
- キャリアアップに不安があるビジネスマン
- 将来出世したい若手・中堅サラリーマン
- 周りと比較して自分にちょっと自信が持てない全ての方
内容紹介
実力を魔くよりも、はるかに人生を好転させる「錯覚資産」とは何か?ネット上で何百万人もの感情を揺さぶり続けたモンスター・ブロガー衝撃のデビュー作。
感想
ブロガー本ということで、よくあるビジネスにも活かせる自己啓発本かと思いきや、錯覚資産を扱った「心理学の本」と言っていいでしょう。
「錯覚資産」とは、「容姿が優れている」という特徴が漠然と「その人間が全体的に優れている」というイメージに無意識に変換されてしまうなど、人々が自分に対して持っている、自分に都合のよい思考の錯覚が、一種の資産として機能することです。
本書では錯覚資産をテーマに、下記2点について論じています。
- 「なぜあいつはあんなに評価されてるんだ?」という「実力主義」の欺瞞を暴く
- 有害な思考の錯覚を取り除くことで、仕事や人生においての成功確率を飛躍的に上げる方法
錯覚資産は、1つのプラスの属性値に引っ張られ、他の属性値も底上げされる「ハロー効果」と、人々の脳は、すぐに利用できる「思い浮かびやすい」情報だけを使って答えを導き出すという「利用可能性ヒューリスティック」の掛け合わせで算出することができます。
これを上手く理解し活用することで、人生において様々なチャンスや可能性に恵まれ、環境が変わり、錯覚資産も福利で増加していくと説きます。
具体的には、スキルアップと錯覚資産増やしについて、車の両輪のように一緒に取り組んでいくことが重要で、学びつつも小さなチャレンジをして周りに見てもらい、小さくても少しずつ成功を積み重ねる、その小さな成功を数字でわかりやすくする、といったことが有用です。
全体を通して、著者の語り口も極めて断定的で、文章から自信に満ち溢れているのが印象的でした。
それも一種の錯覚資産なのでしょう。
事前の期待値は正直なところそこまで高くなかったのですが、非常に満足度の高い一冊となりました。
社会人でそれなりに経験を積んできたけど、周りと比較して自分にちょっと自信が持てない・・・あるいは今後のキャリアアップに不安があるという方にはおすすめです。